お金と労働と地球株

~無能が30代で資産1億円を達成した方法~

3. 地球株

3-7. 【参考】地球上の投資家

本サイトでは地球株の保有を推奨していますが、当然それ以外の戦略を取る株主(投資家)も多数います。 というより、ほとんどの投資家がそうです。 ここでは参考までに、地球上の投資家を、株式の「保有期間」と「カバー範囲」の2軸で分類します。 マトリクスの縦軸は保有期間で、こちらは長ければ長いほど長期的なリターンが良くなります(参照:3-1. 株式の実績)。 なぜなら、そうすればピンハネシステムの働きを「ピンハネする側」として長く享受できることに加え、無駄な売買手数料が発生しないからです。 横軸はカバー範囲で、こちらは広ければ広いほど長期的なリスクが少なくなります。 なぜなら、株式の種類を増やせば増やすほど、つまり分散すればするほど個別リスクを減らすことができるからです(参照:3-6. 地球株のリスク)。 この2軸のマトリクスで、投資家をざっくりと4象限に分類できます。

マトリクスの左下は、保有期間が短く、カバー範囲が狭い領域です。 いわゆるデイトレーダーから、個別株をタイミングを見て売買する者まで、大半の投資家がこの領域にいます。 この領域では、投資の成果は銘柄選択と売買タイミングに依存します。 しかし、優良企業を事前に見つけることや、適切な投資タイミングを捉えることは本来不可能です。 また、売買を繰り返す度に売買手数料を支払うことになります。 つまり、この領域にはほとんどマイナス要因しかありません。 そのため、この領域のほとんどの投資家は成果を上げられません。 もちろん、中には企業選択も売買タイミングもうまく行き、成果を上げる投資家もいます。 しかし運の要素が大変大きく、支払い手数料も高くつくため、その成功も多く場合長続きしません。 投資家自身の能力があるか無いかという以前に、この領域はそもそも成果を上げるのに適していないのです。

マトリクスの右下は、保有期間が短く、カバー範囲が広い領域です。 保有期間が短いということは、売買が多い、ということです。 個人投資家が多くの銘柄に広く投資するには、一般に何らかのファンドを購入する必要があります。 たとえば、国全体あるいは業界全体の株式に投資を行うようなファンドです。 一般にこれらのファンドのリスクは個別株よりも低く、安定しています。 ただし、この領域の投資家はファンドを何度も買い変えたり、株式ポートフォリオの組み合わせを頻繁に変えます。 その度に売買手数料を支払うことになるため、都度リターンが蝕まれます。 あるいは、ファンド内で多くの売買を伴う商品(アクティブファンド)を保有している投資家もここに位置します。 この場合、ファンド自体の運用手数料が高くつくため、その分リターンが蝕まれます。 また、投資の成果は売買タイミングにも大きく依存するため、その意味では運任せの要素が強い領域です。

マトリクスの左上は、保有期間が長く、カバー範囲が狭い領域です。 ここでは、企業選択の結果がダイレクトに影響します。 優良企業を見つけることに成功し、その企業(あるいは少数の優良企業群)の株式を長く保有した者は長期的に良いリターンを得ます。 逆にパッとしない企業の株式を保有した者は、たとえ保有期間が長くても満足なリターンを得られません。 優良企業を事前に見つけることは通常不可能なので、ここもまた運任せの要素を伴う領域です。

【補足】上記の領域にいる典型的な勝者はウォーレン・バフェットです。 では「バフェットは能力があったのではなく、ただ運が良かっただけ」なのでしょうか。 実際のところ、それは判断できません。 株式投資のように確率が支配するゲームでは、仮に個々人の能力が全く同じであったとしても実際に勝者と敗者が生まれるからです。

マトリクスの右上は、保有期間が長く、カバー範囲が広い領域です。 ここでは、多くの投資家が比較的良い成果を上げているはずです。 とはいえ、ファンドによって成績の良し悪しがあり、中にはファンド選びに失敗する者もいます。 またいずれの場合も、運用会社に運用手数料を支払う必要があるため、その分リターンが減ります。 それでも、4象限のうち、ここが最も成果を上げやすい領域です。 なお、本サイトが推奨する「地球株の保有」を実践する者は、この領域の一番右上に位置します。

投資家として成功するために、よく銘柄の選択眼や売買タイミングの上手さ(チャートの読み、損切りの見極め等)などが強調されますが、それらは幻想です。 そのような手法で上手くいっているように見えても、その大半は結果的に運が良かっただけです。 投資家として成功するためには、能力や努力など一切関係なく、単純にこのマトリクスの右上に居れば良いだけです。 本サイトでは特に右上の右上、つまり「地球株の保有」を推奨しています。


お金と労働と地球株

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3-7. 【参考】地球上の投資家