お金と労働と地球株

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3. 地球株

3-7. 【参考】地球上の投資家

本サイトでは地球株の保有を推奨していますが、当然それ以外の戦略を取る株主(投資家)が多数います。 というより、ほとんどの投資家がそうです。 ここでは参考までに、地球上の投資家を、株式の保有期間とカバー範囲を軸に分類します。 縦軸は保有期間で、こちらは長ければ長いほど長期的なリターンが良くなります。 なぜなら、そうすればピンハネシステムの働きを「ピンハネする側」として長く享受できることに加え、無駄な売買手数料が発生しないからです。 横軸はカバー範囲で、こちらは広ければ広いほど長期的なリスクが少なくなります。 なぜなら、株式の種類を増やせば増やすほど、つまり分散すればするほど個別リスクを減らすことができるからです(参照:3-6. 地球株のリスク)。 この2軸で投資家を4象限に分類できます(上図参照)。

右上は、保有期間が長く、カバー範囲が広い領域です。 ここでは、多くの投資家が比較的良い成果を上げています。 個人投資家が多くの銘柄に広く投資するには、一般に何らかのファンドを購入することで実現します。 たとえば国全体だったり、業界全体への投資を行うようなファンドです。 一般にこれらのファンドのリスクは個別株よりも低く、安定しています。 とはいえ、ファンド成績の良し悪しがあり、中にはファンド選びに失敗する者もいます。 またいずれの場合も、運用会社に運用手数料を支払う必要があるため、その分リターンが減ります。 なお、本サイトが推奨する「地球株の保有」を実践する者は、この領域の一番右上に位置します。

左上は、保有期間が長く、カバー範囲が狭い領域です。 ここでは、企業選択の結果がダイレクトに影響します。 優良企業を見つけることに成功し、その企業や企業群の株式を長く保有した者は長期的に良いリターンを得ます。 逆にパッとしない企業の株式を保有した者は、たとえ保有期間が長くても満足なリターンを得られません。 優良企業を事前に見つけることは通常不可能なので、その意味では運任せの領域です。

【補足】上記の領域にいる典型的な勝者はバフェットです。 では「バフェットは能力があったのではなく、ただ運が良かっただけ」なのでしょうか。 実際のところ、それは判断できません。 株式投資のように確率が支配するゲームでは、仮に個々人の能力が全く同じであったとしても実際に勝者と敗者が生まれるからです。

右下は、保有期間が短く、カバー範囲が広い領域です。 保有期間が短いということは、売買が多い、ということです。 ここには、ファンドを何度も買い変えたり、株式ポートフォリオの組み合わせを頻繁に変えるような投資家がいます。 その度に売買手数料を支払うことになるため、都度リターンが蝕まれます。 あるいは、そもそも多数の売買戦略を伴うファンド(アクティブファンド)を保有している投資家もここに位置します。 この場合、ファンド自体の運用手数料が高くつくため、その分リターンが蝕まれます。 また、投資の成果は売買タイミングにも大きく依存するため、ここもまた運任せの要素が強い領域です。

左下は、保有期間が短く、カバー範囲が狭い領域です。 いわゆるデイトレーダーから、個別株をタイミングを見て売買する者まで、大半の投資家がこの領域にいます。 投資の成果は銘柄選択と売買タイミングに依存します。 優良企業を事前に見つけることや、適切な投資タイミングを捉えることは本来不可能です。 また、売買を繰り返す度に売買手数料を支払うことになります。 つまり、この領域にはほとんどマイナス要因しかありません。 そのため、この領域のほとんどの投資家は成果を上げられません。 もちろん、中には企業選択も売買タイミングもうまく行き、成果を上げる投資家もいます。 しかし運の要素が大変大きく、支払い手数料も高くつくため、その成功も長続きしません。 投資家自身の能力があるか無いかという以前に、この領域はそもそも成果を上げるのに適していないのです。

投資家として成功するために、よく銘柄の選択眼や売買タイミングの上手さ(チャートの読み、損切りの見極め等)などが強調されますが、それらは幻想です。 そのような手法で上手くいっているように見えても、その大半は結果的に運が良かっただけです。 投資家として成功するためには、能力や努力など一切関係なく、単純にこの図の右上の領域に居れば良いだけです。 本サイトでは特に右上の右上、つまり「地球株の保有」を推奨しています。


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3-7. 【参考】地球上の投資家