お金と労働と地球株

~無能が30代で資産1億円を達成した方法~

4. 実際の運用

4-5. 地球株の実現

ここまで再三にわたり「地球株の保有」について述べてきました。 しかし地球株とは、あくまで想像上の地球株式会社が発行する仮想的な株式に過ぎず、現実には存在しません(参照:3-3. 地球株式会社)。

そこで、地球株とほぼ同様の機能を果たすインデックスファンドで代用することを考えます。 必要なリスク資産はあくまで「地球株」の一種類のみです。 数あるインデックスファンド(ETF、投資信託)のうち、それ自体で地球株に近いか、組み合わせることで地球株に近づくファンド群のみを、保有コストや手間等を考慮して選択します。

たとえば、世界中の株式市場を網羅したインデックスファンドやETFといった投資商品があります。 これは単独で、ほぼそのまま地球株を代用できるものです。 また、先進国や新興国、あるいは各国の株価指数に連動する商品もあります。 これらは、地球株の構成比率と同じになるように組み合わせることで、地球株の代用となります。 そうしておけば、各株式市場の時価総額が今後変化したとしても、それは地球株の構成比率の変化と同一なので放っておいて良いです。 つまり、この投資法ではリバランスの作業は不要です。

ただし、いずれの方法もあくまで代用に過ぎず、純粋な地球株に対して劣る点があります。 第一に、これらは投資信託であるためコストが発生します。 とはいえ、投資信託の中でもインデックスファンドは、株価指数等のインデックスを再現するだけなので、一般にファンドマネージャーが運用するアクティブファンドよりも大幅にコストを抑えられます。 なお、長期の運用ではアクティブファンドはインデックスファンドの成績に及ばないことが実証されているため、コストが高いアクティブファンドを選択する理由は全くありません。 第二に、地球株を代用するファンドといえど、地球上の全上場企業を含むものではないため、純粋な地球株と比べて内容が「薄まって」しまいます。 これらの欠点はあるものの、コストが比較的小さく、地球全体の上場企業を幅広くカバーしており、更に個人でも簡単に購入できます。 今日、「地球株の保有」を目指す上で最も有力な手段は、これらのETFやインデックスファンドを購入することです。

【補足】地球株の実現にあたって、一般にカバー範囲が広ければ広いほど、コストが低ければ低いほど、手間が少なければ少ないほど良いです。 特にカバー範囲の広さとコストの低さは重要です。 筆者は地球株の代用として、たった1つで世界中の株式市場を網羅できるETFを保有しています。 実際には各地域モノを組み合わせた方が網羅性が高く、更にコストを抑えられるのですが、面倒なので1つで済む方にしました。 つまり、筆者の場合は手間の少なさを何よりも優先しました。

地球上の全企業の親会社「地球株式会社」が仮に存在していたとしたら、地球株を保有することで地球上の株式市場全体の成長を取り込むことができます(参照:3-3. 地球株式会社)。 本物の地球株は現実に存在しないものの、上記のインデックスファンドを購入することにより、現実の世界で疑似的に「地球株の保有」を実現できます。 「4-1. ゲームのルール(復習)」にて、このゲームの攻略法は特殊な集金アイテム「チキュウカブ」を保有することだと述べました。 これらのファンドこそ実質的な「チキュウカブ」(地球株)であり、ポートフォリオを構成する具体的なリスク資産となります。


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4-5. 地球株の実現