地球株とは地球上の全上場企業を束ねる親会社(=地球株式会社)の株式です(参照:3-3. 地球株式会社)。 地球株の存在を仮定すると、株式には以下の2種類が存在することになります。
前者は、本サイトが保有を推奨する唯一の株式です。 後者はそれ以外のすべての株式です。 単一の株式として売買されたり、複数の株式から成るポートフォリオとしてまとめて売買されることもあります。 それらは全て、いわば前者の部分集合ということになります。
さて、地球上の株式市場全体について、ある年の収益率が仮に5%だったとします。 このとき、地球株の収益率は何%になるでしょうか。 もちろん5%です。 地球株式会社は全上場企業の親会社なので、定義上、地球全体の株式市場の収益率と、地球株の収益率は同じになります。
では、地球株「以外」の株式の収益率はどのようになるでしょうか。 個々に見ればその収益率はバラバラであり、5%を上回る株式もあれば下回る株式もあります。 しかし、全体として見れば(あるいはすべての平均を取れば)その収益率はやはり5%になります。 このカテゴリーは地球株式会社の全子会社で構成されており、全体としては地球上の全上場企業の集合です。 ということは、地球株「以外」でも、あくまで全体として見れば、その収益率は地球株と同じになります。
以上のとおり、地球全体の株式市場、地球株、そして地球株以外の「グロス」の収益率は、すべて同じです。 一方、地球株以外の「ネット」の収益率については事情が異なります。 なぜなら、投資家からお金を得る胴元が存在するからです。 胴元とは、証券会社、運用会社、コンサルタント、政府などです。 地球株の場合はそれ自体が全集合なので、他に投資先を選択する余地がありません。 一方、地球株以外の株主には無数の選択肢があります。 通常、彼らは任意の株式や株式ポートフォリオを選択し、それを売買することで儲けようとします。 すると、売買の度に証券会社に売買手数料を支払うことになります。 また、「プロ」に運用を任せれば運用手数料が発生し、投資の助言を求めればコンサルタント料が発生します。 さらに、売買で利益が出れば国に税金を支払う必要があります。 一般に、売買を増やせば増やすほどコストが増え、投資家の利益が損なわれていきます。 このように、地球株以外のネットの収益率は、グロスの収益率から胴元の収益率を差し引いたものになります。
ここで思い出したいのは、そもそも株式とは企業の所有権であるということです(参照:2-6. 株式会社の働き)。 株式の売買は単なる「所有権の交換」に過ぎません。 たとえばAさんがBさんにX社の株式を売ったとします。 その結果、AさんとBさんの間には何らかの損得があったかもしれませんが、X社には何も起こっていません。 にもかかわらず、Aさんは手数料や税金を負担することになります。 地球株式会社の保有者から見れば、彼らは子会社の株式(≒地球株の部分集合)の名義を一時的に組み替えるだけのために無駄なお金を支払い、何もしなければ得られるはずだった利益を無駄に失っています。
個別の株式を頻繁に売買したり、株式ポートフォリオの中身を入れ替えたりといった行動は、本来不要なコストを増やし、ただ胴元を儲けさせるだけの無駄な行動です。 一方、株式の全集合である地球株を保有する場合、他に売買すべき株式の候補はそもそもありません。 地球株の収益率は地球全体の株式市場の収益率と同じなので、単純に地球株を保有していれば、余計なコストを支払わずに、地球全体の企業の成長をそのまま享受できます。